令和7年10月11日
大宮歯科医師会主催学術講演会を聴講してまいりました。
テーマ 「咬合挙上で困らないための理論と術式~欠損歯列を中心に~」
講師 東京科学大学大学院歯学綜合研究科 生体補綴歯科学分野講師
和田淳一郎 先生
抄録
歯の欠損に対して適切に対応出来ないと、咬合位自体に不具合を生じることがあります。
咬合位に不具合が生じると、咬合位を是正するための咬合治療(=咬合再構成)が必要になりますが、
治療が複雑で、難易度が高いことから、「治療介入に際して二の足を踏んでしまった」という経験をお持ちの先生もいらっしゃると思います。
有歯顎でも重度tooth wearなどが理由で咬合再構築が必要になることがありますが、歯の欠損の有無によらず、ほとんどの咬合再構成が必要な症例は、咬合高径の再考が必要で、「咬合高径の増大」(=咬合挙上)を伴うことが少なくありません。特に、歯の欠損がある場合には、「咬合高径や水平的な咬合位をどのように是正するか?」の他に「欠損をどのように補綴するか?」という側面が加わるため、咬合再構成の手技がより複雑になりそうです。一方で、「欠損があることで、かえって咬合再構成がスムーズに行える」といった症例もあります。
本講演会では、有歯顎者を対象とした咬合挙上を含む咬合再構成の理論と術式を、日常臨床で特に有用と思われるエッセンスに絞ってお話しさせていただいた上で、特に欠損歯列に対して咬合再構成が必要となった症例を供覧しながら、理論をどのように治療に落とし込むかについてお話出来ればと思います。
で講演です。
咬合挙上(咬合再構成)の大まかな手順
①現状の下顎位(水平的・垂直的)の評価
②最終的な(目的の)下顎位の仮設定
③暫間装置(可撤性and/or固定性)で設定した下顎位の妥当性を検証
④審美性の確認、咬合平面修正、アンテリアガイダンス(の角度・担い手)決定
⑤プロビジョナルレストレーションで最終確認
⑥最終補綴装置の製作
この流れなのですが
水平的顎位の評価・仮決定は咬合再構成のスタートであり、不適切だと後の治療に重大な影響を及ぼすため
テクニカルな多種の理論、評価法の紹介がありました。
Take-home messageとして
・咬合挙上を行う際には、術前の診査(特に、術前の咬合位)を慎重に行う
・インフォームドコンセントの徹底と患者の協力が必須
・挙上量は最小限とする(可能であれば挙上を行わずに対処する)
・可撤性スプリントによる咬合位の妥当性の検証が推奨される
・3つの基準(中心位、タッピング運動、咬頭嵌合位)の選択の際には「避けるべきケース」に気を付ける
・どの手法が優れている、という根拠はない
・咬合平面の修正を行うか否かの判断は慎重に
という感じでした。
当医院では矯正を含めたFull-mouth reconstructionを行っておりますので
なんとなくこうだろうな~という感覚がしっかり言語化できるようになった講演会でした。
また、ブログを書くにあたり資料を見直し、アウトプットすることにより理解がより深まった感じです。





