60代の患者さまです。
下顎骨骨折の既往があり、初診時はかみ合わせが安定していませんでした。
人のかみ合わせは、本来上下顎のバランスの安定した、リラックス出来る位置で咬める事が理想です。専門用語で中心位(CR)と言います。
また上下顎の歯が最大に当たっている状態を中心咬合位(CO)と言います。
本来CO=CRの位置関係が理想ですが、歯並びは人それぞれであり、よく咬もうとすると
どうしても最大で歯がぶつかる場所(CO)に顎は誘導されます。
CRとCOのズレが少しであれば、口腔周囲筋の補正機能により何も問題は起こりませんが
余りにバランスを逸脱していると、顎関節症であったり慢性的な首、肩の凝りですとか、不定愁訴を引き起こします。
矯正治療はある意味CO=CRを確立する為に行うものとも定義出来ます。
さてこの患者さまは骨折修復時に適当な位置でボルト止されてしまい
上手く咬めない状況でした。
矯正はご希望ではありませんでしたので、補綴にて咬合の再構築を行いました。
初診時に比べると、とてもキレイで安定したかみ合わせになりました。
これからはもっと歯ぐきをキレイにしてもらうべく働きかけですね(笑)