2019年11月アーカイブ

ラバーダム防湿の重要性

当医院では根の治療、虫歯での充填処置では 100%ラバーダム防湿を行っております。

唾液中には無数のバクテリアが存在していて、その細菌が根の中に入ったり

歯面に付着すると、細菌感染を引き起こし ゆっくりと慢性炎症化します。

その結果 根尖性歯周炎や二次カリエス等のトラブルになります。

ラバーダムもただ掛ければ良いというものでもなく

唾液をブロックするのが目的なので 下顎の大臼歯では

ラバーダム+ブロックアウトレジンで防湿することも多いです。

2019-11-05 a.jpg

ラバーダムシートの先は唾液だらけですが

術野は気持ちよくクリーンでストレスフリーです。

ちなみにラバーダム防湿は保険点数 0円です。

重要な処置なんですけどね~

先日、米国歯内療法専門医の松浦 顯 先生の講習会に行ってまいりました。

米国では一般開業医の根管治療は上顎前歯~小臼歯 下顎前歯部のみで

上下顎大臼歯、下顎小臼歯は歯内療法専門医に紹介するそうです。

その歯内療法専門医が処置しても成功率は下図

2019-11-05 aa.jpg

如何に根管治療が難しいかが分かります。

治療が奏功しない場合は外科的な処置が必要になります。

①抜歯

②歯根端切除術
 外科的に根尖部の感染を除去する治療。成功率は90%ですが、治療中歯牙に破折等
 が見つかった場合は保存不可で抜歯になります。
 また治療前にCBCTの撮影、診断が必要です。

大前提として根管治療は100%の成功率を提供するものではありません。

ですが、出来るだけ成功率を上げる為にはラバーダム装着は基本の"き"ですね。

とにかく歯科治療はどれだけ無菌的処置が出来るかです。

以前は根管充填が根尖までしっかり入っていないと、死腔とよばれる空間で細菌が増殖す

ると考えられていたのですが、無菌処置を施していればそもそも細菌がいないのですから

病気をつくる訳がないのですね。

お口の中に入る器具は何でも滅菌されていなくてはダメです。

当医院では治療用水も中性殺菌水を用いておりますし

切削器具は患者さまごと滅菌済みのもの(当たり前)

忘れがちな3WAYシリンジ(水、空気が出る器具・歯科では多用します)も患者さま毎に

完全に滅菌されたものを使用しております。

また、良好な歯内療法の予後のためには、歯冠修復の質が重要です。

ルーズな修復物ですと 歯冠部に細菌集合→エンドトキシンの根充材のすり抜け→

根尖病変形成となります。

いかに1stepごとにどこまでシビアに処置出来るかが、将来の歯の安心に大切です。

月別 アーカイブ

最近のブログ記事

すずき歯科・矯正歯科医院 院長 鈴木 茂行
http://www.suzuki-ortho.com/

すずき歯科・矯正歯科医院
院長 鈴木 茂行

【経歴】
1988年
日本歯科大学(東京校)卒業
1988~1993年
日本歯科大学矯正学教室
1993~1995年
目黒区審美歯科勤務
1995年
鈴木歯科・矯正歯科医院

【所属学会】
・FACE
(The Foundation for Advanced
Continuing Education)
 USA矯正学コース修了
・日本歯科臨床研究会矯正学インストラクター
・日本矯正歯科学会
・日本口腔衛生学会
・日本先進インプラント医療学会

【趣味】
サーフィン
お神輿