10月29日(土) 大宮歯科医師会学術講演会に参加させて頂きました。
「なぜ今、歯科医師による口腔がんの早期発見が必要か」
講師 片倉 朗先生
東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座教授
以下 抄録です。
日本において口腔がんによる死亡者はがんによる死亡者の中で14番目に位置しています。
しかし、厚労省の人口動態統計によると口腔がんの罹患率は30年前と比較して2倍に増加し
2015年には現在の約1.6倍に増加することが予測されています。欧米先進国では口腔、咽頭癌の死亡率が2003年から減少傾向を示していますが、日本で増加傾向を示している事は口腔を守備範囲としている歯科医師にとって憂慮すべき事態です。2009年にFDIでは「あらゆる口腔医療専門職は口腔がんの早期発見と患者教育において重要な役割を担う」と宣言しています。
口腔がんの早期発見は歯科医師の責務であり、私達は国民に早期発見の重要性を啓発し、定期健診では歯・歯周組織のみならず口腔粘膜全体を見渡す眼をもつことが必要です。
口の中にガンが出来ることを知らない方が多いようです。歯科でのガン健診では"歯"にガンが出来るのかと考えている方が多いのだそうです。
歯科の診療所は一般医科の標榜科開業診療所に比べ圧倒的に多く、私達が粘膜面の異変を感じ取れる眼を持ち早期発見ができれば患者さまのQOLに貢献できますね。