閉塞性睡眠時無呼吸障害に対する歯科の役割
ヒトの睡眠には
REM睡眠=30分(rapid eye movement) と
non-REM睡眠=90分(non-rapid eye movement) があります。
これをⅠクールとし、1晩で、3,4回繰り返しています。
REM睡眠(目が動く=頭は起きて、身体は寝ている)とは
夢を見ているときの睡眠です。
急速な眼球運動(rapid eye movement:REM)が出現
浅睡眠に近く、大脳活動は覚醒に近い状態。
記憶の固定、情報整理、脳活動があり、筋肉は弛緩し,上気道閉塞を起こしやすいです。
non-REM睡眠(頭が寝て、身体は起きている、寝相が悪い)
浅いまどろみ状態のstage1から、熟眠したstage3に区分され「レム以外の睡眠」という意味でNonが使われます。
組織修復、Anti ageing,成長発育に関与する(海馬の発育)いわゆる安らかな眠りです。
通常、布団に入り7~8分でnon-REM睡眠から始まり、20分前後からstage2~3へ移行(Sleep Golden time)
REM睡眠から始まるのはナルコプシーという病気です。寝たとおもったら暴れだす感じになります。
睡眠パターンについて睡眠障害がある場合
無呼吸、低呼吸→覚醒反応が多い→深睡眠(stage3,4)が少ない→覚醒反応が多い=睡眠の質が悪い。
蓄積された睡眠不足のことを睡眠負債といいますが、規則正しい生活の中で充分な睡眠時間を確保し、慢性的な睡眠不足状態や過度の睡眠負債を抱えないことが健康には重要です。
睡眠不足は眠気の増強や作業エラーを起こしやすくなります。
睡眠時間は少なくても多くても生命予後に関係します。
適正な睡眠時間は6.5~7.5時間程度です。
ちなみにアルベルト・アインシュタインは1日10時間睡眠
ナポレオンは1日3時間睡眠だったそうです。
睡眠障害の種類には
睡眠の量の不足 睡眠不足症候群、長時間睡眠者、不眠
睡眠の質の低下 睡眠関連呼吸障害、周期性四肢運動異常症、慢性呼吸不全、痛みを伴う身体疾患
覚醒の維持の問題 ナルコレプシー、突発性過眠症、反復性過眠症
サーカディアンリズムの問題 睡眠相後退症候群、睡眠相前進症候群、非24時間交代勤務
神経疾患によるもの 脳症、脳血管障害、神経変性疾患(パーキンソン病)
神経疾患 うつ、心理的過眠
薬物 鎮静剤、眠剤、抗不安剤、抗ヒスタミン剤、ドパミン拮抗薬などがあります。
正しい睡眠生活を過ごすにはどうすれば良いのでしょうか?
まずはリズムの改善(サーカディアンリズム)です。
早起き:太陽を浴びる、瞼に光を感じる=睡眠ホルモンの調節
早寝 :良質な睡眠を構築する
朝ご飯:パンではない!!日本食がベスト→睡眠ホルモンが良く出る
25hr/日の生体内時計のズレをうまく調整することが重要です。
睡眠時無呼吸症は睡眠障害のひとつの病気です。
睡眠障害の5-20%に相当、イビキ要注意です。
睡眠関連呼吸障害は睡眠の質を低下させます。だから睡眠関連呼吸障害を改善することが重要なんですね。
イビキがうるさかったけど急に静かになった?は息が止まったということです!
高血圧、狭心症などの循環器疾患の罹患率が高い。
重症未治療患者の5年生存率は85%前後とされます。
対して舌癌のstage1の5年生存率は、ほぼ100%です。
イビキは悲鳴です。ストップ ザ いびき!!
なぜイビキをかくのか?
イビキは鼻の奥(軟口蓋)と舌の奥(舌根部)で発生します。
どのようにイビキをかくの?
鼻の奥と、のどの奥でイビキをかきます。
イビキの治療法には
保存的には
N-CPAP,口腔内装置、減量、筋トレーニング(首回りの改善)、睡眠指導、ストレッチetc
外科的には
軟組織手術:UPPP etc
硬組織手術:MMA,GA etc があります。
Nasai-CPAPとは経鼻式持続陽圧呼吸療法のことで、陽圧で気道を拡げる+矯正送気を行います。
N-CPAPは長期成績が確認された治療法になりますが、電源が必要であり、装置が大きく違和感もあります。
そこで歯科で製作可能な口腔内装置Oral Appliance(OA)が注目されています。
口腔内装置はどのようにイビキを予防するのでしょうか?
1.口からの呼吸を遮断し鼻からの呼吸を促します。
人間本来の呼吸は鼻呼吸、イビキや無呼吸患者は口呼吸の方が多いです。
口腔内装置を装着し寝ている間は本来の呼吸をしています。
Sniffing position 匂いを嗅ぐ姿勢=気道が開く 鼻呼吸が大切!!!
鼻呼吸=Sniffing=江戸箱枕
「箱枕」は、素材が「桐」髷がくずれないように首筋にあてて使用した箱型の木枕です。
下部が船底のように湾曲して「船枕」とも呼ばれ、寝返りしやすく左右に揺れ動きます。
2.下顎を少し前にだして固定します。
イビキをかいている状態は
・下顎が下がっている
・下顎に付着している舌も下がる
↓
口腔内装置を装着すると
・下顎と舌を持ち上げ気道拡大します。
口腔内装置の効果とは?
1.舌根沈下の予防
2.上気道の拡大
3.口唇の閉鎖
4.鼻呼吸の定着を促す
基本、上気道を拡大する効果がありイビキを軽減することが出来ます。
どのような症例に口腔内装置は有効か?
・すべての症例で適応可能ですが、使用してみないと効果は分かりません。
有効:小下顎・下顎後退例、痩せ、は比較的有効!
無効:中枢性のイビキは無効。肥満、呼気時いびきがあるのは無効?
適応しづらいのは
・残存歯が少ないと口腔内装置は製作困難
・前提条件:鼻呼吸が出来ない場合は応用が難しくなります。
睡眠障害の患者さまは鼻づまりが多く、鼻呼吸が出来ないと口腔内装置は効きづらいです。
以上を踏まえ、当医院ではスリープスプリントの製作を行っております。
耳鼻咽喉科、内科等医科からの紹介状があれば保険での製作が可能です。
保険の場合、固定式のため多少の違和感があり使用できない患者さまもまれにいらっしゃいます。
ある程度、下顎の自由が利くスリープスプリントは20万円~製作可能です。紹介状必要ありません。
イビキに悩んでらっしゃる患者さま、お気軽にご相談くださいね。





