根管治療(歯内療法)の症例

ラバーダム防湿の重要性、歯内療法の成功率

当医院では根の治療、虫歯での充填処置では 100%ラバーダム防湿を行っております。
唾液中には無数のバクテリアが存在していて、その細菌が根の中に入ったり
歯面に付着すると、細菌感染を引き起こし ゆっくりと慢性炎症化します。
その結果 根尖性歯周炎や二次カリエス等のトラブルになります。
ラバーダムもただ掛ければ良いというものでもなく
唾液をブロックするのが目的なので 下顎の大臼歯では
ラバーダム+ブロックアウトレジンで防湿することも多いです。
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ラバーダムシートの先は唾液だらけですが
術野は気持ちよくクリーンでストレスフリーです。
ちなみにラバーダム防湿は保険点数 0円です。
重要な処置なんですけどね~
先日、米国歯内療法専門医の松浦 顯 先生の講習会に行ってまいりました。
米国では一般開業医の根管治療は上顎前歯~小臼歯 下顎前歯部のみで
上下顎大臼歯、下顎小臼歯は歯内療法専門医に紹介するそうです。
その歯内療法専門医が処置しても成功率は下図
2019-11-05 aa.jpg
如何に根管治療が難しいかが分かります。
治療が奏功しない場合は外科的な処置が必要になります。
①抜歯
②歯根端切除術
 外科的に根尖部の感染を除去する治療。成功率は90%ですが、治療中歯牙に破折等
 が見つかった場合は保存不可で抜歯になります。
 また治療前にCBCTの撮影、診断が必要です。
大前提として根管治療は100%の成功率を提供するものではありません。
ですが、出来るだけ成功率を上げる為にはラバーダム装着は基本の”き”ですね。
とにかく歯科治療はどれだけ無菌的処置が出来るかです。
以前は根管充填が根尖までしっかり入っていないと、死腔とよばれる空間で細菌が増殖す
ると考えられていたのですが、無菌処置を施していればそもそも細菌がいないのですから
病気をつくる訳がないのですね。
お口の中に入る器具は何でも滅菌されていなくてはダメです。
当医院では治療用水も中性殺菌水を用いておりますし
切削器具は患者さまごと滅菌済みのもの(当たり前)
忘れがちな3WAYシリンジ(水、空気が出る器具・歯科では多用します)も患者さま毎に
完全に滅菌されたものを使用しております。
また、良好な歯内療法の予後のためには、歯冠修復の質が重要です。
ルーズな修復物ですと 歯冠部に細菌集合→エンドトキシンの根充材のすり抜け→
根尖病変形成となります。
いかに1stepごとにどこまでシビアに処置出来るかが、将来の歯の安心に大切です。

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